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【法規・基準】保全措置について
(ご入居検討者からの質問)
ホーム側から保全措置に関する説明を受けたが不正確で要領を得ない。前払い金で数千万円も預けるにもかかわらず、ホームは 500 万しか保全措置を講じていない。根拠を求めてもこれがルールとしか言わない。納得がいかない。
≪相談者に対する苦情対応委員会のコメント≫
前払い金については、老人福祉法・老人福祉法施行規則とそれに付随する厚生労働省告示により定められており、保全金額については、「前払金のうち、あらかじめ契約で定めた予定償却期間のうち残存する期間に係る額又は五百万円のいずれか低い方の金額以上の金額」とされています。
つまり、法令上は、「未償却金もしくは 500 万円のいずれか低い方の金額を保全していればよい」とされていることとなりますので、本件の場合は法令違反ではありません。保全措置とは、万一ホームの経営状態が悪化し倒産した場合、未償却の前払い金が最大 500 万円まで保全され入居者に返還されるものですのでご了承ください。
(参考)
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)
(届出等)
第二十九条
7 有料老人ホームの設置者のうち、終身にわたつて受領すべき家賃その他厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。
老人福祉法施行規則(昭和三十八年厚生省令第二十八号)
(法第二十九条第七項に規定する厚生労働省令で定めるもの)
第二十条の九 法第二十九条第七項に規定する厚生労働省令で定めるものは、入居一時金、介護一時金、協力金、管理費、入会金その他いかなる名称であるかを問わず、有料老人ホームの設置者が、家賃又は施設の利用料並びに介護、食事の提供及びその他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として収受する全ての費用(敷金(家賃の六月分に相当する額を上限とする。)として収受するものを除く。)とする。
(必要な保全措置)
第二十条の十 有料老人ホームの設置者は、法第二十九条第七項の規定により、一時金に係る銀行の債務の保証その他の厚生労働大臣が定める措置を講じなければならない。
厚生労働大臣が定める有料老人ホームの設置者等が講ずべき措置(平成十八年厚生労働省告示第二百六十六号)
二 老人福祉法施行規則第二十条の十の厚生労働大臣が定める措置は次に掲げるいずれかの措置とする。
イ 銀行等との間において、有料老人ホームの設置者が一時金(老人福祉法施行規則第二十条の五第八号に規定する一時金をいう。以下同じ。)の返還債務を負うこととなった場合において当該銀行等がその債務のうち保全金額(一時金のうち、あらかじめ契約で定めた予定償却期間のうち残存する期間に係る額又は五百万円のいずれか低い方の金額以上の金額をいう。以下この号において同じ。)に相当する部分を連帯して保証することを委託する契約を締結すること。
ロ 保険事業者との間において、有料老人ホームの設置者が受領した一時金の返還債務の不履行により当該有料老人ホームの入居者に生じた損害のうち当該返還債務の不履行に係る保全金額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結すること。
ハ 信託会社等との間において、保全金額につき一時金を支払った入居者を受益者とする信託契約を締結すること。
ニ 一般社団法人又は一般財団法人で高齢者の福祉の増進に寄与することを目的として設立されたものとの間において、一時金について有料老人ホームの設置者が返還債務を負うこととなる場合に備えた保全のための契約を締結することであって、イからニまでに掲げる措置に準ずるものとして都道府県知事が認めるもの。
≪事業者に対する苦情対応委員会のコメント≫
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