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厚生労働省、有料老人ホーム設置運営標準指導指針を改正
本日、厚生労働省は標記指導指針の改正通知を都道府県、指定都市、中核市に発出しました。
適用始期は本年7月1日で、今後各自治体はこれを踏まえて指導指針の改正を行うものと考えられます。
本協会では足掛け3年にわたり改正案への意見を提出してきました。特に重要事項説明書については入居契約の重要事項を説明する上で現在の項目を極力少なくする主張を行ってきました。今後、できるだけ早く記入例を策定し公表いたします。
厚生労働省の標準指導指針や重要事項説明書参考様式は、都道府県等に充てて示されるものであり、都道府県等はこれを受けて独自に指導指針等を改正します。したがって、特に重要事項説明書参考様式がそのまま事業者用に使われるものでないことに十分ご注意ください。
今回改正のポイント
今回の改正は、急増する無届ホームを減らす必要があることから、届け出が促進されない理由の一つである、設備等基準の緩和を一部で図り、無届けホームでの高齢者虐待問題がクローズアップされたことへ対応するための基準強化等を盛り込む方針で行われました。
1.届出の促進に向けた規定の適正化(既存建築物・小規模建築物の特性に応じた見直し)
廊下幅や居室の広さ等について、標準指導指針への適合を義務と解釈し、既存建築物等を利用した取組が困難になることを懸念した事業者が、本来の義務である有料老人ホームとしての届出を行わないことについての指摘があるため、以下の見直しを行う。
- 民家等を活用した有料老人ホームを運営する事業者に対して、適切に届出を行うよう促すため、標準指導指針における既存建築物等の取扱いについて、その特性に応じた見直し(代替措置や将来の改善計画などを許容した内容)。
- 入居定員が少ない場合、地域との定期的な交流の確保などをもって、運営懇談会の代替とすることを認める見直し。
2.外部サービスを利用者が自ら選択できる環境の構築
医療・介護等のサービスの自由な選択と決定を妨げるような囲い込みが行われているとの指摘があるため、以下の見直しを行う。
- 近隣に設置されている介護サービス事業所について、入居者に情報提供することを求める見直し。
- 有料老人ホームの事業者が、入居者によるサービスの選択と自己決定を阻害してはならない旨を、標準指導指針において明確化する見直し。
3.サービス付き高齢者向け住宅の取扱いの見直し
現行の標準指導指針では、「サービス付き高齢者向け住宅」は有料老人ホームに該当しても適用対象外としているが、指導監督を行う都道府県等からは、「サービス付き高齢者向け住宅」も対象とした統一的なガイドラインを求める声も多い。
- サービス付き高齢者向け住宅のうち、食事の提供など有料老人ホームの定義に該当する事業を行うものについては、老人福祉法上は「有料老人ホーム」として取り扱われていることから、同住宅を標準指導指針の対象として位置づける見直しを行う。
- なお、有料老人ホームに該当しないサービス付き高齢者向け住宅については、老人福祉法の効力が及ばない ことから、引き続き、本指針の対象とはしないものとする。
4.その他
老人福祉法の改正に伴う用語の定義(前払金など)を踏まえた文章の適正化など、所要の改正を行う。
関連資料
- ①有料老人ホーム設置運営標準指導指針【PDF 363KB】
- ②新旧対照表【PDF 556KB】
- ③(別表)有料老人ホームの類型・表示事項【PDF 199KB】
- ④(別紙様式)重要事項説明書【PDF 722KB】
- ⑤(別添1)事業主体が当該都道府県、指定都市、中核市内で実施する他の介護サービス
【PDF 335KB】 - ⑥(別添2)有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅が提供するサービスの一覧表
【PDF 340KB】 - ⑦本協会作成の重要事項説明書記入例はこちら
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