シルバー川柳入選作品

過去最高の盛り上がり!!第17回「シルバー川柳」入選作品発表

 公益社団法人 全国有料老人ホーム協会(理事長:市原俊男、所在地:東京都中央区)が、毎年「敬老の日」に向け公募している「シルバー川柳」の今年の入選作品が決定いたしました。

 今年で17回目を迎えた「シルバー川柳」は、過去最高の15,576作品が寄せられ、下記の20作品が入選しました。今年度の選考は協会シルバー川柳選考会及び、当協会加盟ホーム入居者のうち67名による候補作品への投票で行いました。男女比については今年は男性が52%、女性48%と昨年に比べ、男性の割合が微増しています。また、今年は有料老人ホーム入居者からのご応募もめだちました。従来どおりの「シルバー世代あるある」はもちろん、時事的に話題のキーワードも多く寄せられ、アクティブシニアの皆さんの関心の幅の広さを感じる作品群となりました。(公募期間:平成29年3月1日~6月25日)

入選作品 ★の作者名はペンネーム

※敬称略・順不同

紙おむつ地位も名誉も吸いとられ
厚木のかずちゃん(男性・神奈川県・73歳・無職)★
字を忘れ考えてるうち文忘れ
鳥海一郎(男性・千葉県・93歳・無職)
いつ死ぬか分かれば貯金使うのに
遙(女性・岐阜県・77歳・主婦)★
生きがいは何かと聞かれ「生きること」
山田和一郎(男性・栃木県・61歳・無職)
手をつなぎ互いの杖となるあした
荒木惠子(女性・愛媛県・63歳・無職)
物忘れ知識を少し捨てただけ
加藤義秋(男性・千葉県・70歳・無職)
温かく迎えてくれるは便座のみ
圓崎典子(女性・茨城県・53歳・パート)
「君の名は?」老人会でも流行語
はだのさとこ(女性・岡山県・62歳・主婦)★
iPad指舐めスライド孫怒る
長谷川明美(女性・東京都・57歳・主婦)
遺言書「すべて妻に」と妻の文字
りく・そら・ばあば(女性・愛知県・59歳・主婦)★
ルンバさえ越えてる段に足とられ
あーさまま(女性・大阪府・58歳・無職)★
付いて来い言った家内に付いて行く
山本敦義(男性・愛媛県・83歳・無職)
通帳に暗証番号書いている
平野好(男性・青森県・75歳・無職)
寝てるのに起こされて飲む睡眠薬
瀬戸なおこ(女性・神奈川県・59歳・主婦)
母がボケ初めて知った過去の恋
クローバー(女性・鹿児島県・49歳・主婦)★
ポケモンを捜し歩いて捜されて
駄句さん(男性・静岡県・76歳・無職)★
ペットロス主人の時より号泣し
岩谷紀子(女性・東京都・76歳・主婦)
ピンポーンにやっと出たのに不在票
榎本美智代(女性・大阪府・54歳・ヘルパー)
石段の下から拝む寺参り
浦本狂児(男性・熊本県・83歳・無職)
できますと家族を泣かす認定日
中川潔(男性・福井県・53歳・会社員)

応募状況

<応募総数>15,576作品
<応募者年齢>平均年齢:74.5歳 最年長:100歳(女性) 最年少:4歳(女児)
<応募者男女比>男性:50.5%  女性:47.9%  性別不明:1.6%

 年代構成比において、65歳以上の応募が微増し(対前年2.8%)、40~64歳の応募が微減しています。男女比では、男性が50.5%、女性47.9%と、昨年に比べ女性の割合が大きく伸びています。40歳未満の応募者は全体の2.9%と少ないものの、シニア世代の様子を的確に表現した句が多く寄せられています。

題材の傾向と内容

流行語と社会に敏感なシルバー世代

 今回はゲームアプリで社会的現象を引き起こした「ポケモン」や、映画が大ヒットした「君の名は?」などの流行語が川柳に詠み込まれました。またニュースでも話題になった「忖度」や、テレビドラマでブームとなった「恋ダンス」、そのほか「PPAP」「人工知能」といった言葉も登場しています。デジタル派も増加し、「スマホ」「ライン」「iPad」を使いこなすシルバー世代の姿も浮かび上がってきます。
 入選作:「ポケモンを捜し歩いて捜されて」「『君の名は?』老人会でも流行語」「ペットロス主人の時より号泣し」「iPad指舐めスライド孫怒る」

題材ランキング一位は男女ともに「容姿・肉体・知力の衰え」。

 全応募作の15%が「容姿・肉体・知力の衰え」について詠まれたもの。老化に関する悩み、不安を自虐的に詠んだ内容はシルバー川柳の一番の特徴です。「認知症」「もの忘れ」の定番キーワードに加え、「脳トレ」「脳活」が増加しているのはメディアの影響もあるでしょう。自らの老いに向き合いながら、笑いに変えて明るく生きる姿勢が感じられます。
 入選作:「紙おむつ地位も名誉も吸いとられ」「物忘れ知識を少し捨てただけ」「字を忘れ考えてるうち文忘れ」「通帳に暗証番号書いている」

家族の絆と微妙な関係

 シルバー川柳の魅力のひとつが、家族とのシニカルでほのぼのとしたやりとり。微妙な力関係に思わず笑ってしまう「夫婦」ネタや、孫や親などの「身内」ネタがいずれも上位にランクインしています。定年後に居場所がない夫や、いっぽう悠々自適な時間を楽しむ妻など、長年連れ添った夫婦の形はさまざま。孫ネタは相変わらず鉄板で、愛おしい気持ちを詠んだもの、逆に孫からいじられている様子を描いたものなど、ほのぼのとした世界観に溢れています。
 入選作:「母がボケ初めて知った過去の恋」「温かく迎えてくれるは便座のみ」「付いて来い言った家内に付いて行く」「手をつなぎ互いの杖となるあした」

医者通いや、終活、超高齢社会を見据える川柳も

 「遺影」「葬式」「墓」「寿命」など、「終活」全般を詠んだ作品、大長寿時代の自分の姿を重ね合わせる作品も多く寄せられました。また、介護(老老介護)なども避けられないテーマです。健康的に、生きがいを持って日々を暮らしたいという思いと不安が、率直に詠まれています。
 入選作:「いつ死ぬか分かれば貯金使うのに」「生きがいは何かと聞かれ『生きること』」「遺言書『すべて妻に』と妻の文字」

≪お知らせ≫

 今年の入選作20作を含めた傑作川柳が本になりました。シニア世代を中心とした、まさに人生の達人たちによる笑いと涙の日常。政治も経済も暗い話の多いニッポン、家族で仲間で楽しめる1冊です!ご興味のある方は、最寄りの本屋でお買い求めください。(協会では販売していません)