シルバー川柳入選作品

「第15回シルバー川柳」入選発表

 第15回目となります「シルバー川柳」に、今年は11,899作品の応募をいただきました。各会員ホームの入居者約350名の投票をいただき、下記の20作品を入選作として選出しました。

入選作品 ★の作者名はペンネーム

※敬称略・順不同

老いるとはふえる薬と減る記憶
黄昏迫子 (女性/愛知県/68歳/主婦)★
マイナンバー ナンマイダーと聴き違え
沢登 清一郎(男性/山梨県/67歳/自営業)
徘徊もタスキかければパトロール
橋本 澄子(女性/大分県/59歳/会社員)
年賀状出さずにいたら死亡説
角森 玲子(女性/島根県/47歳/自営業)
長生きをほめる世間に子は疲れ
裏山子だぬき連合
(女性/愛媛県/63歳/子ども英会話教室講師)★
上向いて歩こう今では下見よう
らくちゃん(男性/埼玉県/69歳/自営業)★
想い出が身辺整理の邪魔をする
はなみづき(女性/神奈川県/92歳/無職)★
壁ドンでズボンの履き換えやっとでき
伊藤 敏晴(男性/福井県/69歳/無職)
老人会みんな名医に早変り
井上 栄二(男性/千葉県/82歳/無職)
三度目は聞こえたふりの半笑い
広瀬 昌晴(男性/大阪府/69歳/無職)
人生に迷いはないが道迷う
片上 映正(男性/愛媛県/47歳/公務員)
お互いにボケかトボケか気がつかず
小田島 忠彦(男性/神奈川県/74歳/自由業)
脳トレで信じたくない老いを知り
かまぼこ(女性/愛媛県/67歳/無職)★
ハイタッチ腕が上がらず老タッチ
春十八番(男性/北海道/48歳/会社員)★
浪花節何のだしかと嫁が聞き
日比野 勉(男性/岐阜県/74歳/無職)
もったいない気づけば我が家はゴミ屋敷
シニアリアン(女性/東京都/63歳/無職)★
アルバムに遺影用との付箋あり
鈴木 冨士夫(男性/埼玉県/65歳/自営業)
俺だって死ねば弔辞で褒められる
山口 義雄(男性/千葉県/72歳/自営業)
老犬とこぼしたおかず奪い合い
食い意地張る子(女性/熊本県/68歳/主婦)★
うす味を愛だと知った四十年
中村 和雄(男性/千葉県/80歳/無職)

応募状況

<応募総数>11,899作品
<応募者年齢>平均年齢:71.4歳 最年長:102歳(女性) 最年少:13歳(女児)
<応募者男女比>男性:53.2% 女性:46.6% 性別不明:0.2%

 年代構成比において、65歳以上の応募が増加し(対前年5.7%)、65歳以下の応募が微減しています。男女比では、男性が53.2%、女性46.6%と、昨年に比べ女性の割合が微増しています。40歳未満の応募者は全体の2.2%と少ないものの、シニア世代の様子を的確に表現した句が多く寄せられています。

題材の傾向と内容

「マイナンバー」「脳トレ」「壁ドン」など、話題のキーワードが登場

 新制度が始まる「マイナンバー」、ブームとなった「脳トレ」、ニュースで話題になった「ドローン」のほか、ドラマや映画で見聞きすることの多い「壁ドン」「ありのまま」など、メディアに多く登場したキーワードが積極的に使われました。また、シニア世代の関心の高い「終活」「エンディング」といった言葉も引き続きよく登場しています。
 入選作:「マイナンバー ナンマイダーと 聴き違え」「壁ドンで ズボンの履き換え やっとでき」
「脳トレで 信じたくない 老いを知る」

題材ランキング1位は「身内」ネタ。「俺より犬?」微妙な、でもしみじみとした夫婦愛も

 男女共に題材ランキングの1位は「身内」ネタ。全応募作の約一割が、子ども、孫、嫁・婿など、家族のことを詠んでいます。中でもお孫さんとのやりとりは年々増えており、来訪を素直に喜ぶ気持ちや、体力、知力を互いに競い合う様子が描かれ、微笑ましさを感じます。また、「夫婦」をテーマにした作品も多く(ランキング3位)、「定年後は妻が上司」となった夫の悲哀、いっぽうで趣味や交際も含めのびのびとシニアライフを生きる妻の様子が対照的です。
 入選作:「浪花節何のだしかと嫁が聞き」「老犬とこぼしたおかず奪い合い」
「俺だって死ねば弔辞で褒められる」「うす味を愛だと知った四十年」

病気と薬は自慢のネタ、「ボケ」「徘徊」もストレートに

 定番テーマというべき「医者通い」「老化による肉体・容姿の衰え」ですが、「ボケ」「認知症」「徘徊」といったキーワードが、これまで以上にダイレクトに作品の中で使われるようになりました。誰にとっても避けられない老化を川柳にすることで「笑い」に転化し、日常を楽しく、という気持ちが読み取れます。
 入選作:「老いるとはふえる薬と減る記憶」「徘徊もタスキかければパトロール」
「老人会みんな名医に早変り」「お互いにボケかトボケが気がつかず」

「戦後70年」の節目を意識した作品群

 戦後70年の節目を迎え、メディアでも関連テーマが多く取り上げられた今年は、応募作にも「戦争」「平和」「自衛権」「安保」といったキーワードが多く織り込まれました。いずれも入選作には入りませんでしたが、「自衛権」や「平和」を自らの日常生活に落とし込んだ、ユニークな作品が多く寄せられました。