シルバー川柳入選作品

「第14回シルバー川柳」入選発表

 第14回目となります「シルバー川柳」に、今年は11,370作品の応募をいただきました。各会員ホームの入居者約500名の投票をいただき、下記の20作品を入選作として選出しました。

入選作品 ★の作者名はペンネーム

※敬称略・順不同

老いるとはこういうことか老いて知る
城内 光子(女性/東京都/64歳/主婦)
つまずいて足元見れば何もなし
おっとっと(女性/北海道/55歳/パート)★
どこで見る東京五輪天か地か
高橋 通男(男性/東京都/62歳/無職)
鏡見て懐かしくなる母の顔
川村 恭子(女性/千葉県/55歳/主婦)
粗大ゴミそう言う妻は不燃物
岡田 淳(男性/長野県/71歳/無職)
元酒豪今はシラフで千鳥足
川辺 昌弘(男性/岡山県/38歳/自営業)
円満の秘訣は会話をしないこと
くんちゃん(男性/大分県/69歳/無職)★
恐妻を天使に変えた認知症
芦沢  武(男性/山梨県/62歳/農業)
いびるなら遺言書きかえ倍返し
トミスター(男性/福岡県/42歳/フリーター)★
素っぴんに隣の犬が後退さり
須田 無知子(男性/岐阜県/78歳/無職)★
補聴器をはめた途端に嫁、無口
佐野 由美子(女性/三重県/44歳/保育士)
LED絶対見てやる切れるとこ
石井かおり(女性/大分県/53歳/自営業)
糖尿病甘い生活記憶なし
日比野 勉(男性/岐阜県/73歳/無職)
新聞を電車で読むのはオレ一人
西村 忠士(男性/長野県/71歳/無職)
妻乱心オレにもほしい自衛権
畑  和利(男性/北海道/49歳/自営業)
同時期にシュウカツをする孫と爺
口笛 太郎(男性/愛知県/50歳/会社員)★
遺産分け位牌受け取る人はなし
西田 勲(男性/北海道/77歳/無職)
ケアマネをもてなしあとで寝込む祖母
角森 玲子(女性/島根県/46歳/自営業)
叱った子に今は優しく手をひかれ
大原 美枝子(女性/神奈川県/90歳/無職)
脳ボケにSTOP細胞ないかしら
穴見 貴幸(男性/埼玉県/65歳/無職)

応募状況

<応募総数>11,370作品
<応募者年齢>平均年齢:68.7歳 最年長:100歳(女性) 最年少:8歳(女児)
<応募者男女比>男性:56.2% 女性:42.6% 性別不明:1.2%

 年代構成比において、70代以上の応募が増加し、60代以下の応募が微減しています。男女比では、前回ほぼ同数だった男女の割合が、男性56.2%、女性42.6%という比率になりました。40歳未満の応募者は全体の4.1%と少ないものの、シニア世代の様子を的確に表現した句が多く寄せられています。

題材の傾向と内容

孫と競い、嫁をけん制? とはいえ家族円満なシルバー層

 題材ランキングのトップは孫、子ども、親(祖父母)、兄弟などの身内ネタでした。特に、年々「孫」の登場率がアップし、ジジババVS孫で知力体力を競い合う様子や、子どもの視点を借りて描かれるユニークな「老いの実態」などの作品が増加。社会的には老々介護、孤独死などが問題となっているものの、公募では家族の絆を感じさせる作品が多く寄せられています。
 入選作「同時期にシュウカツをする孫と爺」「ケアマネをもてなしあとで寝込む祖母」など

病気、老化は「自慢できる」話題に 「医者通い」「肉体・容姿の衰え」

 シニア特有の定番テーマとして、堅調なのが「医者通い」「老化による肉体・容姿の衰え」です。「物忘れ」「薬」「杖」「入れ歯」など日常的なキーワードのほか、「認知症」「糖尿病」といった病名も登場し、日々、老いを実感し、病気と付き合う様子が綴られています。また老人会、同窓会、知人との会合における「病気自慢」、医者通いによる多忙ぶりなど、「老化」を積極的に受け止め、肯定しようとする気持ちが表現されています。
 入選作「糖尿病甘い生活記憶なし」「老いるとはこういうことか老いて知る」

妻には頭が上がらない? 男女で違いが出た「夫婦」

 男性の1割が「妻」を題材にしたのに対し、女性が「夫」を詠んだ句は少なく、男女別の関心の差が顕著に出たのが「夫婦」のテーマです。趣味にせよ知人との交際にせよ、「第二の人生」を積極的に楽しむ女性と比較して、定年後の男性はまだまだ居場所が見つけづらいようです。家で実権を握る妻へのささやかな抵抗の気持ちが句に表現されています。
 入選作「粗大ゴミそう言う妻は不燃物」「妻乱心オレにもほしい自衛権」

「五輪」「スマホ」「終活」などの時事ネタも

 「五輪」「スマホ」「STAP細胞」など、メディアに多く登場したキーワードが積極的に使われました。また、「終活」や「おれおれ詐欺」など、シルバー層の生活、ライフスタイルに直接かかわるトピックスも登場しています。
 また、「デイケア」「ケアマネ」といった福祉・医療サービスに関する用語が川柳にもよく登場するようになりました。皆さんの日常生活に浸透していることがわかります。
 入選作「脳ボケにSTOP細胞ないかしら」「どこで見る東京五輪天か地か」「同時期にシュウカツをする孫と爺」