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「第13回シルバー川柳」入選発表

 第13回目となります「シルバー川柳」に、今年は13,783作品の応募をいただきました。各会員ホームの入居者約980名の投票をいただき、下記の20作品を入選作として選出しました。

入選作品

※敬称略・順不同

お医者様パソコン見ずにオレを診て
佐藤 光紀(男/秋田県/74歳/農業)
寝て練った良い句だったが朝忘れ
久保 静雄(男/埼玉県/73歳/無職)
「先寝るぞ」「安らかにね」と返す妻
朝倉 道子(女/埼玉県/71歳/主婦)
欲しかった自由と時間持て余す
藤原 ノブ(女/岩手県/77歳/無職)
お迎えは何時でも良いが今日は嫌
千   両(ペンネーム)(女/神奈川県/84歳/無職)
お迎へと言うなよケアの送迎車
安永 富男(男/福岡県/84歳/無職)
金貯めて使う頃には寝たっきり
湯澤 力男(男/福島県/69歳/無職)
欲しい物今じゃ優しさだけになり
宮沢 淑子(女/大分県/74歳/主婦)
骨が減り知人も減るが口減らず
上川 康介(男/広島県/53歳/公務員)
症状を言えば言う程薬増え
須藤 貞子(女/奈良県/85歳/無職)
孫が聞く膝が笑うとどんな声?
飯田 芳子(女/埼玉県/59歳/無職)
本性が出ると言うからボケられぬ
阿部  浩(男/神奈川県/53歳/会社員)
メイドカフェ?冥土もカフェがあるんかえ?
竹村 友子(女/三重県/36歳/パート)
ひ孫の名読めない書けない聞きとれない
松本 俊彦(男/京都府/48歳/会社員)
耳遠くオレオレ詐欺も困り果て
岩間 康之(男/兵庫県/60歳/公務員)
子は巣立ち夫は旅立ち今青春
蓮見  博(男/栃木県/61歳/無職)
検査あと妻のやさしさ気にかかり
細野  理(男/岐阜県/63歳/自営業)
白内障術後びっくりシミとシワ
村川 清嗣(男/大阪府/71歳/無職)
期限切れ犬にやらずにオレに出す
足立 忠弘(男/東京都/74歳/無職)
暑いのでリモコン入れるとテレビつく
佐々木郁子(女/宮城県/75歳/無職)

応募状況

<応募総数>13,783作品
<応募者年齢>平均年齢:67.4歳  最年長:101歳(女性)  最年少:7歳(女児)
<応募者男女比>男性:50.1%  女性:49.5%  性別不明:0.4%

 年代構成比において、60代以上の応募が増加し、50代以下の応募が減少しています。特に40代以下の応募構成比は、ここ数年減少傾向にあります。そのため、応募作品の傾向として、日常の出来事をシルバー世代ならではの視点で捉えた句が中心となっています。

題材の傾向と内容

最も多く扱れた題材は「容姿・肉体・知力の衰え」
「加齢臭」・「尿漏れ」といった高齢期の身体特徴を明るく笑い飛ばす句も

 「加齢による容姿・肉体・知力の衰え」を嘆いたり、諦めを持って揶揄する句が、全体の2割弱を占め、題材として最も多く扱われました。シミ・シワ・入歯・頭髪等は毎年多く取り上げられていますが、以前は取り上げにくかった「加齢臭」・「尿漏れ」関連の作品も多々見受けられ、「老い」を積極的に笑い飛ばす明るさが感じられます。加えて、「もの忘れ」も題材としては大人気で、「何を忘れたのかさえ忘れた」様をも、笑いに変えている様子がうかがえます。

愛おしく感じても、虐げられても、妻無しではシルバー世代を語れない男性の姿が浮き彫りに

 夫婦を題材とした句は相変わらず多数ありましたが、自身のパートナーへの不満や揶揄と思いきや、実は行間から深い情愛や感謝の気持ちが感じられる句が多い点が微笑ましく思われます。

 「夫婦」ネタは、女性よりも男性の方が多く詠んでおり、虐げられるにせよ、愛おしむにせよ、妻無しではシルバー世代を語れない男性の悲哀が浮き彫りとなっています。

「今でしょ!」・「じぇじぇじぇ」など、今年の流行語が題材に
「世界遺産」、「アベノミクス」、エベレスト登頂の「三浦雄一郎氏」といった時事ネタも

 世相を反映する言葉やネタを題材にしている句の中では、「今でしょ!」・「じぇじぇじぇ」といった流行語を詠み込んだ句も多く見受けられました。加えて、富士山を中心とした「世界遺産」、「アベノミクス」、「TPP」、「IPS」などの時事ネタも題材として数多く詠み込まれていましたが、最も多かったのは「オレオレ詐欺」で、シルバー世代の関心の高さが、うかがえます。

 また、想像以上に三浦雄一郎氏のエベレスト登頂を詠んだ句が多く、三浦氏はシルバー世代の間では、「時の人」といった存在のようです。

 その他、携帯・スマートフォン・タブレット等を扱った句も多く、これらのモバイルデバイスがシルバー層の日常にも深く入り込んでいる様子が分かりました。

シルバー世代初心者である「団塊世代」は「老い」に戸惑い

 益々加速する高齢化社会の中、「若造り」や「シルバーシート」の攻防など、「老い」を認めたくない本音もポロリ。まだまだ現役でありたいジレンマが強く感じられます。特に、シルバー世代に突入した「団塊の世代」の戸惑いは大きい様子です。

「あれそれ」で会話成り立つシルバー層は、「フリ」の上手な千両役者

 シルバー層の日常として多く取り上げられていたのが、「とりたててやることのない暇な毎日」と「あれそれ」で済む会話です。年を経るごとに益々達者になる「口」を駆使しつつ、時と場合に応じて、様々な「フリ」(聞こえないフリ、ぼけたフリ)を演じながら、毎日をやり過ごすシルバー層の姿も浮き彫りに。

良くも悪くも、ますます大きな比重を占める「介護」

 高齢化社会による老々介護を嘆く句が散見される一方、デイサービスが、シルバー層の日常の潤いとなっている様がうかがわれる句も多数ありました。